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香り |
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畳の部屋でリラックスできるのは、畳のかもし出す独特の匂いと関係しています。
畳の香りとは主にイ草の香りです。
イ草の香りには鎮静効果があり、まるで森林浴をしているような効果があります。
この心地よい香りで、自然に呼吸が深くなり心身ともにリラックスできるのです。 |
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弾力性 |
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畳の表面は、イ草という多年生の植物を編んだものです。
イ草の内部はスポンジ状になっていて、たくさんの空気を含んでいます。
また、畳床は、乾燥した稲ワラを圧縮したもの。
稲ワラはイ草と違い中は空洞になっています。ここにもおおくの空気がつまっています。
このため、お年寄りの方や赤ちゃんが、ころんでもたいしたケガをせずにすむのは、空気を多く含んだ畳は適度な弾力性があるからです。 |
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保温性・断熱性 |
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イ草は直径1.5mmくらいの細い草ですが、断面はスポンジ状になっています。
またワラは中がストローのように空洞になっています。
ですから、イグサもワラも弾力があることで、多くの空気を含んでいます。
空気には熱を伝えにくい性質があります。
暑い夏の日には、畳が含む空気によって暑さを遮断し、ひんやりと心地好い感触をもちます。
寒い冬の日には、外の冷たい空気を畳の中の空気がさえぎってくれます。
このように夏は涼しく、冬は暖かいという優れた断熱性と保温性があります。 |
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吸湿性・放湿性 |
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イ草と稲ワラでできた畳は呼吸をしています。
イ草のスポンジ部分、稲ワラの空洞部分が湿気を吸放湿します。
一帖分の自然吸放湿量は、約500mlです。部屋の湿気の多い時に吸収し、空気が乾燥した時は湿気を放出します。
しかも、ジュータン、カーペットに比べ畳は湿気を吸う速度が遅いため高温多湿の日本の風土に適した床材です。
もっとも、その畳も古くなると、吸湿効果を失います。時には畳に風を通すことが必要です。 |
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吸音性 |
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畳床はワラを縦横に配し、40cmくらい積みとげたものを5cmほどに圧縮してつくられるため、畳には弾力が生まれます。
また、無数の空気の層は音を吸い込む作用もあり、歩いているときの足音などが吸収されています。
和室などでゆったりと落ち着いた雰囲気をかもしだすのはこの吸音効果によるものです。
最近、ワラをいっさい使用しない畳床(建材床)がありますが、ワラ床と効果は変わりありません。 |
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空気を浄化させる働き |
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畳表には空気をきれいにする特徴があります。
イ草の中の小さな穴が、空気中に含まれている有害な二酸化窒素を吸着する性質があることが東大工学部西村研究室の研究によってわかりました。
知らない間に室内環境の浄化をしてくれているのです。 |
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泥と遠赤外線の関係 |
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イ草は刈り取られた後すぐに、ある種の泥につけこまれます。
変色を防ぎ加工しやすくするための伝統的な知恵なのですが、実はこの泥が遠赤外線を発生させていることもわかりました。
森林浴と同様のリラックス効果があるそうです。 |
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湿度を調整しダニを予防 |
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またイ草は、部屋の湿度が高いと水分を吸収し、乾燥してくるとその水分を放出して湿度を調整する働きもします。
だからダニの発生も予防。高温多湿の日本でイ草が重宝されてきたのにはそんな理由もあるのです。 |